当院の特徴に注射による治療が多いことがあげられます。
注射にも様々なものがあり、
今回は当院で行う注射について解説してきます。
①関節注射
関節の痛みに対して、関節内に直接薬を入れる注射です。主にヒアルロン酸(肩・膝のみ保険適応)や麻酔薬、ステロイドを使用し関節の痛みや腫れを減らしていきます。
ヒアルロン酸は軟骨の保護作用、ステロイドは炎症の抑制、麻酔薬は即効性のある痛み止めとして働きます。
ステロイドは短いスパンで何度も注射をくりかえすと「軟骨や腱が弱くなる」「感染しやすくなる」「血糖値が上がる」等の副作用が懸念されるので間隔や回数は制限されます。強い炎症が続くとそれはそれで、軟骨にダメージを与えるので匙加減が必要です。また、関節注射が効くか効かないか見ることで、原因が本当に関節の中にあるのか、という判断になることもあります。「変形性関節症」や「滑膜炎」「肩関節周囲炎(四十肩、五十肩)」「痛風発作」などで行います。
②腱鞘注射
手関節や手指、足関節の腱鞘炎を起こしている時に行います。炎症性の疾患であることが多いので局所麻酔薬とステロイドを主に使います。腱鞘炎で指の曲げ伸ばしが困難になる、「ばね指」という疾患に最も多く行われております。
③トリガーポイント注射
トリガーポイントとは、筋肉が癒着や炎症などで動きが硬くなり、痛みの原因になる。痛みの原因が筋肉・筋膜にできた硬結(しこり)からくるという疾患概念です。
直接鎮痛剤や麻酔薬をトリガーポイントに打つ治療です。触診で硬結を確認して注射することがポイントです。「肩こり」「寝違え」「急性腰痛(ぎっくり腰)」「慢性腰痛」で行うことがおおいです。「頚椎症」や「ヘルニア」など神経痛を持つ患者さんで、こういった筋の痛みが合併する人も見られます。
④ブロック注射
頚部や腰、四肢の神経痛が対象になります。痛みの原因となる神経を狙って、ピンポイントで麻酔薬やステロイドを注射して痛みを抑えます。痛みの回路を遮断することで、麻酔薬の効果がなくなっても、注射前より痛みが軽減します。神経痛は複雑な症状を出すこともあり、痛みの原因の診断として行うこともあります。一時的に力が入らなくなるので、部位によっては予約で行います。
⑤静脈注射
痛み止めや神経痛を抑えるビタミン剤などを血液中に直接投与するための注射です。緊急時には血圧や血糖をコントロールする薬も投与したり、点滴でも利用することがあります。内服や坐薬より、薬の吸収にかかる時間がないので効き目が早くでます。他の注射では痛みが取れない疾患(尿管結石や原因不明の腰痛、骨折の痛みなど)に使われたり、注射だけでは痛みの改善が十分でない時につかいます。疲労回復のにんにく注射や美白目的の白玉注射もこれになります(自費診療)。
④ハイドロリリース
筋膜、腱、神経、血管などの柔らかい組織が他の組織との間でくっついたり、摩擦が高くなって動きが悪くなり痛みの原因になることがあります。怪我の後に長引く痛みや、日々負担が繰り返しかかるところに生じます。その組織の間に注射で水分を注入することで、動きを出していき痛みを抑える治療です。組織の間を狙って注射するので、超音波検査機で対処とする組織を確認しながら注射を行います。治療対象はトリガーポイントと共通することが多いですが、肉離れやこむらがえりの後にのこる筋肉のハリ、ピンポイントで押して痛い所がある「肩こり」や「腰痛」「膝の後ろの痛み」に特に効く印象です。比較的新しい注射手技で、保険収載はなく、類似した注射手技として請求しています。
⑤皮下注射・筋肉注射
主にワクチンの注射方法です。当院では「骨粗鬆症治療薬」、「プラセンタ」や「花粉症のステロイド注射」でも行うことがあります。
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