肥満と運動器疾患(医師が20㎏減量した方法)
- 山本整形外科
- Jun 26
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整形外科疾患には、肥満が原因になったり悪化させたりするものも多々あります。例えば変形性膝関節症は、肥満者は標準体重の人より2倍発症率が高くなるといわれています。また、体重を10%減らすことで痛みが改善するという報告もあります。腰椎椎間板ヘルニアも体の重さによる負担を椎間板が支え続けることで、弾力を失い変形して生じるといわれています。体重コントロールは整形外科疾患を治療するうえでも大切な要素です。なので、整形外科のブログですがダイエット方法について書きます。
私、医師飯田は第1子を出産の際、13㎏増量しました。子供が出て、速やかに5㎏は痩せましたが、残りの8㎏が課題でした。産後激しい運動もなかなかできず、夜も子育てで眠れず、産後2か月で仕事復帰し強い疲労感の中、自分の健康を取り戻していくのは至難の業でした。しかし、体重が重いと気分も下がります(うつと肥満もかかわりがあるそうです)。体調を整えつつ、ダイエットに挑みました。産後10カ月で、元の体重に戻り、1年半で産前より7㎏減量し、合計20㎏の減量に成功しました。
そのなかで一番効果があったのが
カロリー計算・食事制限
です。あまりにも普通でがっかりされた方もいるかもしれませんが、確実に痩せていきます。肥満学会でも推奨されています。
方法は
①まず自分の身長から適性体重を把握する。
②自分の活動量に合わせて適性エネルギーを計算する。
適正エネルギー = 標準体重 × 係数(25~30)活動量による
(参考)仙台徳洲会病院スタッフブログ
③食べたものを記録し、カロリー計算していく。適性エネルギー内に一日の食事量をおさめるよう調節する。食べ過ぎたら、数日はカロリーを控えめにして帳尻をあわせていく。
という方法です。
とても面倒なようですが、最近はスマートフォンのアプリで、目標体重を設定すると適性エネルギーを計算してくれるものもあります。食べ物を記録すればカロリー計算もやってくれて優秀です。
私はカロミルを使用していましたが、あすけんも評判が良いようです。
カロミル
あすけん
痩せたい方めんどくさいと思わず、1度アプリをダウンロードして正直に食べたものを記録していってください。一口でも食べたら記録、飲み物も水や甘くないお茶以外は記録です。スマホでSNSやゲームをやっている暇があったら記録です。「食べているつもりはないのに、なかなか痩せないなー」と思っていても、調べてみると「意外とカロリーを取っている!」と驚きます。あと、タンパク質は意識してとらないと意外と取れていないと気付かされたり、塩分量も把握できてほかの健康にもよい効果があります。
私は産後の体調が落ち着いたら、家で軽い筋トレも週に3回程度追加していきました。しかし、やはり一番体重に影響したのはカロリーコントロールです。筋トレを始めてからは、妊娠中からの腰痛が改善し、体のシルエットは整ってきます。
適性体重を上回り、ダイエットを希望している方は試してみてください。
しかし過剰なダイエットは危険です。骨密度や筋力低下につながります。特に成長期の痩せは生涯にわたる骨密度の低下に影響があるといわれています。特に女性は骨粗鬆症になりやすく特に過剰な体重減少は注意したほうが良いでしょう。カロリーを制限しすぎるあまりたんぱく質の摂取が減ったり、エネルギー不足で筋肉が分解されていくこともあります。筋力不足も変形性関節症や腰痛等の運動気疾患につながります。筋肉減少による体重減少はメリットがありません。急に体重を減らそうと、極端なカロリー制限はお勧めしません。
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