肩の痛みと動きの制限でお悩みの方へ
- 山本整形外科
- Jul 7
- 4 min read
肩の痛みや腕が上がりにくいといった症状でお困りではありませんか?当院で行っている「サイレントマニピュレーション」は、そのような肩の悩みを改善するための治療法の一つです。
サイレントマニピュレーションとは?
サイレントマニピュレーションは、主に五十肩(肩関節周囲炎)や凍結肩と呼ばれる、肩の関節が固まって動きが悪くなっている状態に対して行う治療です。
通常、五十肩などでは、肩関節を包む関節包やその周囲の組織が炎症を起こし、それが原因で癒着(くっついてしまうこと)が起こり、肩の動きが制限されます。サイレントマニピュレーションは、麻酔をかけて痛みをなくした状態で、医師が手を使って硬くなった関節をゆっくりと動かし、癒着をはがしていく治療です。
「サイレント」という言葉は、麻酔によって痛みを感じない状態で行われることから来ています。
サイレントマニピュレーションのメリット
この治療には、患者さんにとって多くのメリットがあります。
痛みが少ない: 麻酔下で行うため、治療中に痛みを感じることはありません。痛みに不安がある方でも安心して治療を受けられます。
短期間で効果を実感: 固まってしまった肩の動きが、治療後すぐに改善されることが期待できます。日常生活での動作が楽になるのを比較的早く実感できるでしょう。
入院の必要がない場合が多い: 多くの場合、日帰りでの治療が可能です。入院の負担や費用を気にすることなく、治療を受けられます。
リハビリテーションの効果を高める: 硬くなった関節の動きが改善されることで、その後のリハビリテーションがより効果的に行えるようになります。スムーズにリハビリを進め、早期の機能回復を目指せます。
サイレントマニピュレーションのリスク
一方で、サイレントマニピュレーションにはいくつかのリスクも存在します。治療を受ける前に、これらのリスクについてもしっかりと理解しておくことが大切です。
骨折: 硬くなった関節を動かす際に、非常にまれですが、肩の骨(上腕骨など)が骨折してしまうリスクがあります。特に骨がもろくなっている方(骨粗鬆症、以前に上腕骨骨折をしたことがある方など)は注意が必要です。
感染:治療の最後に炎症止めの薬(ステロイド)と痛み止め(麻酔薬)を関節の中に注射し、施術後の腫れや痛みを抑えます。針を刺した場所からばい菌感染がおこるリスクがあるので、同日は湯舟は控えてもらっています。(シャワーは可)糖尿病や免疫不全を合併する患者さんは、感染リスクが高いので治療前に十分な診察や主治医との相談が必要です。
神経損傷: 肩の周りには多くの神経が通っています。ごくまれに、治療中に神経が傷つき、しびれや麻痺などの症状が出ることがあります。
血管損傷: 神経と同様に、血管が損傷するリスクも非常にまれですがゼロではありません。
麻酔による合併症: 麻酔を使用するため、麻酔自体によるアレルギー反応や、血圧の変動、吐き気などの合併症が起こる可能性があります。歯医者さんなどで麻酔の経験があり問題がなければ、安心して受けることが出来ると思います。
再拘縮: 治療によって一時的に動きが改善しても、その後のリハビリテーションが不十分だと、再び肩が固まってしまう(再拘縮)可能性があります。治療後のリハビリが非常に重要になります。また糖尿病を合併する患者さんは、再発率が高いといわれています。
痛みや内出血: 治療後に一時的に痛みや内出血が起こることがあります。これらは通常、時間の経過とともに治まります。
治療後の大切なこと
サイレントマニピュレーションは、固まった肩の動きを取り戻す有効な手段ですが、治療後のリハビリテーションが非常に重要です。 治療によって得られた可動域を維持し、さらに改善していくためには、医師や理学療法士の指導のもと、継続的に運動療法を行う必要があります。
当院では、患者さんの状態を詳しく診察し、サイレントマニピュレーションが最適な治療法であるかを慎重に判断いたします。治療のメリットとリスクについても丁寧にご説明し、ご
納得いただいた上で予約で治療を進めてまいりますので、肩の痛みや動きの制限でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。飯田医師(土曜日不在)が担当しております。





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