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骨粗鬆症の治療と予防 〜“折れない骨”を守るために〜

  • 山本整形外科
  • 7h
  • 3 min read

こんにちは。山本整形外科です。今回は、年齢とともに増える「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」について、最新の治療法と予防のポイントをご紹介します。


骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は、骨の中身がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。女性では閉経後、男性では加齢や生活習慣の影響で、骨の代謝バランスが崩れます。自覚症状がないので、転倒などの軽いけがで骨折した時に初めて判明する方も多数見られます。骨折をきっかけに寝たきりや要介護状態に移行することもあり、早期の発見・治療が非常に重要です。



骨密度が下がる理由

骨は常に「壊す(骨吸収)」と「作る(骨形成)」を繰り返しています。このバランスが崩れると、骨の量と質が低下します。主な原因は次の通りです。

●女性ホルモン(エストロゲン)の低下

●加齢・運動不足・栄養不足(カルシウム・ビタミンD・たんぱく質)

●ステロイド薬の長期使用・遺伝的要因



検査:まずは「骨密度」を測りましょう

骨粗鬆症は自覚症状がほとんどありません。検査は「DEXA(デキサ)法」というX線で骨の密度を測定する方法などがあります。腰椎や大腿骨、手首や踵の骨密度を測ることで、現在の骨の状態や将来の骨折リスクが分かります。当院でも数分で測定が可能です。



最新の治療薬

骨粗鬆症の薬は、「骨を壊すのを抑える薬」と「骨を作る薬」、そして骨代謝を整える補助的治療薬に分けられます。最近では効果の高い注射薬も登場しており、重症の骨粗鬆症の患者さんや、すでに骨折をしたことがある患者さんに使用されるようになりました。


薬の種類

主な作用

投与方法

代表的な薬剤名

ビスホスホネート系

骨の吸収を抑える

内服/点滴(月1回など)

アレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロン酸など

デノスマブ(RANKL阻害薬)

骨吸収を強力に抑制

皮下注射(6か月に1回)

プラリア®

テリパラチド(PTH製剤)

骨形成を促進(骨を作る)

皮下注射(毎日 or 週1-2回)

フォルテオ®、テリボン®

ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)

骨形成促進+骨吸収抑制の両作用

皮下注射(月1回、12か月まで)

イベニティ®

SERM(選択的エストロゲン受容体調節薬)

骨吸収を抑制(閉経後女性に有効)

内服

ラロキシフェン(ビビアント®)

活性型ビタミンD製剤

カルシウム吸収促進・骨代謝改善

内服

エルデカルシトール(エディロール®)、アルファカルシドールなど

カルシウム製剤

骨形成の基礎補助

内服

乳酸カルシウム、炭酸カルシウムなど

ビタミンK製剤

骨タンパク質合成促進

内服

メナテトレノン(グラケー®)


これらは患者さんの年齢・骨密度・骨折歴・腎機能・通院状況などに応じて使い分けます。治療効果を確認しながら、定期的な検査とフォローが大切です。


生活習慣でできる骨ケア

1. 栄養バランス

カルシウム(乳製品、小魚、小松菜など)

ビタミンD(鮭、卵、きのこ、日光浴)

ビタミンK(納豆、緑黄色野菜)

たんぱく質(肉、魚、卵、大豆など)


2. 運動

週3回以上のウォーキングやスクワット、踵落としなどの骨に負荷を加える運動。転倒予防のためのバランス訓練(片足立ちなど)もおすすめ。



3. 禁煙・節酒

喫煙や過剰な飲酒は骨の代謝やカルシウムの吸収を悪化させます。



当院での取り組み

当院では、骨密度測定(DEXA法)、血液検査による骨代謝マーカー測定、骨折リスク評価、治療薬の導入と効果判定を行い、一人ひとりに合わせた骨粗鬆症治療を行っています。


まとめ

・骨粗鬆症は「骨折して初めて気づく」ことが多い病気

・食事・運動・薬で骨を守ることができる

・最新治療では選択肢が増えている

・定期的な骨密度検査で早期発見を


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